AIツールデータベース article
公式X

ChatGPTだけでサイトを作成する時に注意するべきこととは?
「勝手に省略」を防いで効率的に開発するコツ

AI技術が飛躍的に進化した2026年現在、プログラミングの知識がなくてもChatGPTなどの対話型AIを使えば、誰でも簡単にウェブサイトを構築できる時代になりました。かつては数週間かかっていたコーディング作業が、今や数分、数時間で形になります。

しかし、実際にChatGPTだけで1からサイトを作ろうとすると、多くのユーザーが共通の壁にぶつかります。「指示したはずなのにコードが勝手に短くなっている」「いつの間にかデザインが崩れている」「修正を頼むたびに別の場所が壊れる」といった、AI特有の「癖」に悩まされるケースです。

この記事では、筆者が実際にChatGPTを使ってサイト制作を行った際に感じたリアルな課題と、それを乗り越えて効率的に高品質なサイトを完成させるための具体的な注意点を、初心者の方にもわかりやすく徹底解説します。

📖 目次

1. 最大の敵はChatGPTの「勝手に省略・添削」問題

ChatGPTを使っていて最もフラストレーションが溜まる瞬間は、「良かれと思って勝手に内容を簡略化してしまう」という点にあります。特にコード生成において、これは致命的なミスに繋がりかねません。

「// 既存のコードと同じ」という罠

筆者の体験として、文章やコードを「絶対に短くしないで、全て出力して」と念押ししても、出力されるコードが前回のものより簡略化されていたり、重要なパーツが「// 既存のコードと同じため省略」というコメント一行で済まされてしまうことが多々あります。

これは、ChatGPTが「効率性」を重視するアルゴリズムを持っているためです。AI側は「ユーザーは同じことを何度も見たくないだろう」「トークン(文字数制限)を節約しよう」と推測してしまいますが、サイト制作においては、その数行の省略をコピペミスすることで、サイト全体が動かなくなってしまうことが多々あります。

対策:コードの「整合性」を文字数で判断する

出力されたコードを自分のエディタに貼り付ける前に、必ず以下のチェックを行ってください。

  • 前回の出力と比べて、スクロールバーの長さが明らかに短くなっていないか?
  • HTMLの「閉じタグ(</div>や</body>など)」が最後まできちんと書かれているか?
  • 「省略」や「〜は以前と同様〜」という日本語の注釈が入っていないか?

もし省略されてしまった場合は、「省略せずに、HTMLとCSSの全コードを一つの回答内で完結させて出力し直してください」とはっきり伝える必要があります。

今日からできること
ChatGPTにコードを出力させたら、まず一番下までスクロール。「省略」という文字がないか、閉じタグが揃っているかを3秒でチェックする習慣をつけましょう。

2. 指示(プロンプト)の具体性が成否を分ける

AI全般に言えることですが、指示が曖昧だとAIは「勝手な解釈」を始めます。特にChatGPTは、指示者の意図を先回りして汲み取ろうとする能力が高い反面、それが「意図しないお節介な修正」に繋がることがあります。

効率を落とす「クレジットの無駄遣い」

2026年現在、ChatGPTの最新モデル(GPT-5クラスなど)をフル活用する場合、無料版や一部のサブスクリプションプランでは、高速な推論が可能な「クレジット」や「メッセージ数」に上限が設けられていることが多いです。指示が不明確で何度もやり直し(リテイク)が発生すると、あっという間にその日の上限に達してしまいます。一発で意図を伝えることが、コストパフォーマンスの面でも非常に重要です。

曖昧な指示を具体的に変換するテクニック

指示を出す際は、形容詞(おしゃれな、いい感じの)を避け、数値や具体的な構造を指定しましょう。

  • デザインの指示:「おしゃれな感じにして」ではなく、「青色(#0052cc)をメインカラーにし、背景は薄いグレー(#f4f4f4)に。ボタンには角丸(8px)をつけ、マウスを乗せた時に少し浮き上がるアニメーションをCSSで追加して」と伝えます。
  • 構成の指示:「問い合わせフォームを作って」ではなく、「氏名、メールアドレス、問い合わせ内容の3項目があるフォーム。各項目は必須入力にし、JavaScriptで空欄チェック機能を付けて。送信ボタンを押したら『送信が完了しました』という通知が出るようにして」と具体化します。
  • 修正の指示:「ここを直して」ではなく、「index.htmlの25行目にあるナビゲーションバーの文字サイズを16pxから18pxに変更し、ロゴとの間隔を30pxに広げて」と場所を特定します。

3. 「index.html」を完璧に固めてから次へ進む

サイト制作を最短距離で終わらせるための最大のコツは、最初に作る「index.html(トップページ)」を、自分が100%納得するまで作り込むことです。

基盤がグラつくと、後続のページが崩壊する

ChatGPTに「Aboutページ」や「サービス紹介ページ」を追加で作らせる際、AIは基本的に「最初に出力したindex.htmlのルール」を参考にします。もし、index.htmlのCSS設計が適当だったり、共通パーツ(ヘッダーやフッター)のデザインが未完成のまま他のページ作成を指示してしまうと、後から「やっぱり全体のメインカラーを緑に変えたい」となった時に、すでに作った全ページのコードを個別に修正し直さなければならなくなります。これは手作業でもAI作業でも、非常にエラーが起きやすい工程です。

守るべき制作フロー

  1. デザインと構造の確定:まずはindex.htmlだけを作成し、PC表示・スマホ表示(レスポンシブ)ともに完璧な状態にします。
  2. 共通パーツの確立:ヘッダーのメニュー構成やフッターのリンク先など、全ページで共通する部分をこの時点で確定させます。
  3. 横展開(ページ増量):基盤が完成してから、その最終コードをChatGPTに改めて読み込ませ、「このindex.htmlのデザインとCSS設定を完全に引き継いだ状態で、Aboutページの中身だけを書き換えて作成してください」と指示を出します。

この「一歩ずつ踏み固める」やり方が、結果として最も早くサイトを完成させる近道になります。

4. 他のAIと連携させる「二段構え」の指示術

ChatGPTはコーディング能力に長けていますが、長文で複雑な「人間の要望」を一度に処理させると、情報の優先順位を見失うことがあります。ここで有効なのが、他のAI(ClaudeやGemini、あるいは専用の要件定義AI)に一度「交通整理」をさせる方法です。

指示書の「翻訳」ステップ

筆者が推奨するのは、自分の作りたいサイトの構想を、まずは別のAIに対して「思いつくまま、箇条書きで、長文で」ぶつけることです。

例えば、以下のように依頼します。
「これからChatGPTを使ってサイト制作をします。私の頭の中にある支離滅裂な要望を整理して、ChatGPTが一発で理解できるような『厳密な仕様書プロンプト』に変換してください。要望は以下の通りです……(以下、自分のアイディアを羅列)」

こうして出力された「整理された指示書」をコピーしてChatGPTに貼り付ける。これだけで、ChatGPTが勝手にコードを省略したり、意図しないデザインを生成したりするリスクを大幅に下げることができます。ChatGPTに「考えさせる」負荷を減らし、「書くこと」に専念させるイメージです。

5. 2026年版:ChatGPTの得意・不得意を見極める

最新のAI事情を踏まえ、現在のChatGPTが「できること」と「苦手なこと」を整理しておきましょう。

メリット(得意なこと)

  • 爆速のコーディング:基本的なHTML/CSS/JSの骨組みなら、人間がタイピングする数百倍の速さで書き上げます。
  • 高度なデバッグ:コードが動かない時、エラーメッセージと一緒にコードを貼り付ければ、瞬時に修正案を提示してくれます。
  • コンテンツ生成:サイト内のキャッチコピー、プライバシーポリシー、よくある質問(FAQ)などのテキスト作成を同時に依頼できます。

デメリット(注意点・苦手なこと)

  • 長文コードの維持:ページが肥大化し、コードが1,000行を超えてくると、出力の途中で止まったり、中間を端折ったりする確率が上がります。
  • 一貫性の維持:チャットのやり取りが長くなると、数時間前に決めた「ボタンの色」や「フォントの種類」を忘れて、デフォルトの設定に戻ってしまうことがあります。
  • 最新ライブラリの混同:2026年時点の最新のライブラリ(ReactやNext.jsの最新バージョンなど)を、数年前の古い書き方と混ぜて出力してしまうケースが稀にあります。

まとめ:ChatGPTと二人三脚でサイトを完成させるために

ChatGPTだけでサイトを作成することは、2026年現在、完全に現実的な選択肢となりました。しかし、それはAIに「丸投げ」ができるという意味ではありません。

あなたが「ディレクター(監督)」となり、ChatGPTを「優秀だが少しお節介で、油断すると作業をサボる(省略する)職人」として適切に管理する必要があります。

成功のための最終チェックリスト

  • ☐ 指示を出す前に、別のAIやメモ帳で指示内容を整理したか?
  • ☐ 出力されたコードに「省略」が含まれていないか、文字数や末尾を確認したか?
  • ☐ index.htmlは、他のページを作る前に100%の完成度になっているか?
  • ☐ 「いい感じに」といった曖昧な言葉を避け、数値や色コードで指定したか?

このステップを意識するだけで、あなたのサイト制作効率は劇的に向上し、AIの真の力を引き出すことができるはずです。AIの癖を逆手に取り、賢くツールを使いこなして、あなただけの理想のサイトを形づくりましょう!

(公開日:2026年2月16日)